窓ガラスの種類と断熱性の違いを知ろう

2023.1.20 配信

最近は住宅性能という言葉も広く知られるようになりました。

住宅性能評価の基準の一つに「温熱環境・エネルギー消費量」があります。

これは「外壁や窓を通して、熱損失をふせぐための断熱性対応がどのくらいできているか」を評価するものです。

今回は、窓ガラスの断熱性についてお話したいと思います。

 

窓ガラスの種類

窓ガラスには、大きく分けて単板ガラスと複層ガラスの2種類があります。

単板ガラス

単板ガラスは、ガラス板1枚または2枚以上のガラスを圧着して1枚にしたものです。

単板ガラスに機能性を持たせた強化ガラスや合わせガラスなどがあります。

防犯性・防火性や割れた時の飛散防止の効果は高まりますが、残念ながら断熱性はあまり期待できません。

 

複層ガラス

複層ガラスは2枚以上のガラスの間に空間をつくることで、断熱性などを高めたものです。

2枚のガラスが一般的ですが、3枚のトリプルガラスもあります。

枚数が多くなるほど断熱性能が高まりますが、その分厚みも増し、使えるサッシも限られてくるため、設計の段階から注意しましょう。

 

複層ガラスの種類と特性

複層ガラスにも種類があり、それぞれ特性があります。

一般複層ガラス

ガラスとガラスの間に空気層をつくることで断熱効果が期待できる窓ガラスです。

乾燥空気を入れるだけでなく、アルゴンガスやクリプトンガスを充填することでより高い断熱効果を得られます。

「ペアガラス」「ペアマルチ」という名称で販売されている商品も、この複層ガラスです。

 

Low-E複層ガラス

Low-Eとは「Low Emissivity」の略で、「低放射」という意味です。

複層ガラスの表面にLow-E金属膜という特殊な膜を貼り、断熱・遮熱性や省エネ効果を高めています。

会社によっては「エコガラス」という名称で販売されています。

このガラスは、内側・外側のガラスのどちらに膜が張ってあるか、またクリア・グリーン・ブロンズなど色の違いでそれぞれ特性が違います。

違いをよく理解して場所に合ったガラスを設置しないと「日当たりのいい部屋なのに熱が遮断されて温かみを感じない…」なんて事もあるので注意しましょう。

一般複層ガラスと同様に、アルゴンガスなどをいれてより断熱効果を高めることもできます。

 

真空ガラス

ガラス同士の間を真空にして、魔法瓶のような高い断熱性能を持ちます。

その効果は一般複層ガラスの約4倍とされています。

断熱効果の点ではベストな窓ガラスといえるでしょう。

また、真空にすることで防音性能も期待できます。

 

サッシも重要

断熱効果は窓ガラスだけでなく、取り付けるためのサッシの材質も重要です。

アルミサッシ

日本で一般的に使われているサッシですが、軽量で対候性・防火性に優れている一方、気密性は低く熱が伝わりやすいため断熱性能は劣ります。

樹脂サッシ

海外では一般的に使われている樹脂サッシ。

日本でも北海道など寒冷地域では、広く普及しています。

気密性が高く、熱が伝わりにくいため断熱性に優れています。

複合サッシ

複数の素材のよい部分を組みあわせたサッシです。

壁の外側は樹脂サッシ、内側は木製サッシなどでデザイン性を保ちつつ、性能も保持できるようになっています。

 

設置場所にあった窓ガラス+サッシでじょうずに断熱を

暮らしやすい家をつくるために断熱性は大切な要素です。

断熱性能を高めることで、光熱費の削減や結露対策、さらには防音性や防犯性のアップも期待できるかもしれません。

真空ガラス+樹脂サッシでさらに2重窓にすれば、最強ではないでしょうか。

ただし、性能が高ければ当然コストもかかりますので、本当に必要な場所に適切な窓ガラスとサッシを選ぶことが重要です。

それぞれの特性を理解し、窓をじょうずに活用して暮らしやすい家にしたいですね。

 


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